あまねく公平・・・の怖さ

社会保障と税の一体改革PART5

デフレの解消、優遇税制、雇用の創造などの成長戦略を!
―「消費税増税の前にやるべきことがあるはず!」―

ネエ、マサノリさん・・・
「結局、消費増税は何に使われるの?」「年金は安定するの?子育て支援は?」
消費増税による増収分の使い道をどうするかについては、この国の未来を左右する大切な議論です。
国会は、本来はこのことについてしっかりと議論を戦わせるべきですが、残念ながらあまり期待ができません。
増え続ける社会保障費に補てんするだけの戦略ならあまりに無策。やはり成長戦略が優先したうえでの増税といった手順が必要不可欠でしょう。

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「消費増税に肯定的な意見は3・11以降減っています」
3.11の前までは、各新聞社の世論調査でも、「仕方がない」という方も入れれば、見直しに肯定的な方は6割近くを占めていましたが、大震災以降の最新の世論調査では賛否の傾向は逆転しているようです。反対とする方が約5割に上がって、賛成の方は4割に減少。とりわけ東京に関しては4年以内に7割の確率で大震災が…、などと報道されるに従って不安が広がり、消費税どころではないといった国民感情もあるようです。

「膨らみ続ける社会保障費の穴埋めに使うのは結構だが」
今年で国民皆保険・皆年金制度ができて51年目。昔は加入者の7割が自営業と農林漁業者でしたが、今はその人たちが2割に減って、非正規労働者と無職の人が加入者全体の7割を占めています。会社を引退した高齢者の方や正規労働者になれなかった人が国保に流れ込んでいる状態。当然、市町村は不足する赤字分を補てんしている状況です。多摩市も例外ではありません。
昨今の政府と地方6団体の協議では、仮に2015年の10月から消費税率を10%に引き上げた場合、その増税分5%のうち・・・3,46%を国に、残りの1,54%を地方に配分することになっています。(概ね7対3の割合。1%を2,5兆とし
た場合、約12.5兆円のうち約8.5兆が国に、約4兆が地方に)

国はこれらを年金・医療・介護・少子化対策の4経費に活用し、地方も一部その使途を自由に決められる範囲を残すものの、大半を国同様、医療・介護などの財源不足が著しい社会保障財源に補てんせざるを得ないでしょう。

「財政の健全化と成長戦略は別物」
一方、社会保障の足りない分を補てんできるのは地方としても結構ですが、やはり大きな欠陥があることを忘れてはいけません。それは、財政再建には全くつながらないということです。社会保障の安定化や借金の返済に社会保障目的税は必要ですが、それをしてもサービスが良くなるわけではないし、年金の給付が膨らむわけでもありません。あくまで現状維持。対処療法の範疇を越えるものではありません。むろん一時的な財政の健全化には一役買いますが、成長戦略ではないのです。また、低所得者に負担のかかる逆進性の問題もあり、そもそも社会保障の理念に反することにもなりかねません。

「あまねく公平という言葉の怖さ」
デフレ期に、それを解消しないでただ増税をすれば、かえってGDPの成長を抑制して財政悪化へ導いてしまうことが心配です。
消費税は確かに負担の平等性・公平性を実現しますが、一方で「あまねく公平」という掛け声の下、どんな立場の人からも税金を徴収するのも事実です。安定財源のためにといった間違ったアナウンスも問題です。この不況の中、赤字企業や低所得者からも無理やり徴収すれば、会社は倒産・低所得者は完全にご飯が食べられなくなることにもなりかねません。消費税は法人税・所得税よりも弱者を直撃します。
この不況下、安易に消費税を上げればデフレ脱却の足かせになり、二度とこの国が立ち直れなくなるかもしれません。
デフレからの脱却・成長戦略の充実が優先すべきではないでしょうか。
  

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