効率主義で増え続ける社内うつ

マサノリ元気通信 号外版                健康問題PART

増え続ける「うつ」・効率主義で増え続ける社内うつ

―「心の病を抱える人が増え続けている!」―

○ねえ、マサノリさん・・・

「最近、心の病を訴える人が多いわね」

「自殺者が多いのはうつ病と関係あるんでしょ?」

○昨年1年間に自殺した人は3万513人。

自殺者が3万人を超えたのは14年連続です。

中国に抜かれたとはいえ、我が国は世界第3位の

経済大国。しかし、これだけ自殺者が多い国が、

はたして本当に豊かで幸せな国と言えるのでしょ

うか?このことは我々が戦後追い求めてきた豊か

さの意味を問い直すものではないでしょうか?

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「自殺者の3割がうつが原因?!」

現代はストレス社会。特にしのぎを削るIT業界などでは、過重労働から「うつ」になる社員が激増しています。すでにうつ病患者は100万人を突破したと言われていますが、これは抗うつ剤を処方された患者数であり、実際に医師に相談をしていない(できない)人を含めたら、その数倍は存在するとも言われています。自殺者を減らすには、うつ病患者対策が必要不可欠なのです。

「厚生労働省はうつを5大疾病に位置付けた」

厚労省は、昨年がん、脳卒中、心臓病、糖尿病と並んで、精神疾患を「5大疾病」に位置付けました。WHO(世界保健機構)のデータでも、2025年までにうつに代表される精神疾患は、世界で4番目に多い病気になることが予測されており(現在は世界で7番目)、世界中でも「うつ」が広がり始めているのです。一口に精神疾患と言っても、健康な心と病んだ心の境目は非常にあいまいですが、心の病を抱えている人が増えていることには違いはありません。

国立社会保障・人口問題研究所によれば、うつ病による社会的損失が2兆6782億円に達するとのデータを示しています。また。ある調査会社によれば、精神疾患全体では、年間11兆円の損失になるというデータも示されています。薬の過剰投与などで病気が長引く患者の増加が社会的コストを押し上げているというのです。本人の人生にとってはもちろんですが、国家にとっても莫大な損失でもあるのです。

「リーダーはメンタルヘルスを理解しない?」

一方、会社でリーダーシップを発揮する人ほど、メンタルヘルスを理解しにくい傾向にあるというデータがあります。つまり、そうしたリーダーは、うつを「単にストレスに弱いやつ」と決めつけ、本人の心の持ち方に問題が…と決めつける傾向があるようです。しかし、これでは、本腰を入れた対策にはつながりません。昔はサラリーマンは会社に対して「働きがい・生きがい」を求め、会社もそれに応えようとしてきました。しかし今、会社が社員に求めるのは単なる「効率第一主義」のみではないでしょうか?加えて、長引く景気の低迷や先の見えない社会保障制度などで、不安に耐えられない人々が増え続けているのです。こうしてみると、社内うつは社員の心のありようではなく、企業体質の問題であり、結果的に日本社会が抱える問題を浮き彫りにしているのです。

「うつ病対策も大事だが、核心を捉えた真の対策を」

昨今、うつ病対策に乗り出す企業が徐々に増えていると聞きますが、大きな成果が上がっているといった報告はあまり耳にしません。それは、企業が本人のうつ病対策よりも、むしろ過重労働などで家族などから訴えられた時の対策に力を入れているからだと言われています。これが事実ならうつ病は減るはずもありません。日本的企業経営は、組織と経済を優先させてきたことで成功を収めてきましたが、いま大きな転換期を迎えていると言えます。

リーダーに必要なのは、社員(人々)の人生にきちんと向き合う姿勢ではないでしょうか。そして、それはそのまま日本のリーダーにも言えることなのです。

我が国の社会保障制度が、人々の未来に大きな不安をもたらすものであってはいけないのです。

 

       

“効率主義で増え続ける社内うつ” への1件のコメント

  1. 近藤 昇 より:

    自殺は鬱病ではなく躁鬱病の躁状態の時に自殺します。

    日本の社会は競争社会です。メンタルヘルスのアダバイザーがいない。

    日本産業能率大学での報告書が参考になります。

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